熊本大学病院 中央放射線部

各検査・治療

MRI検査

MRIとは

MRI検査は大きな磁石のトンネルの中に入り、電波をあてることで体の中から出てくる信号を元に画像を作ります。X線を使用しないため、被ばくの心配がありません。磁石の中に入って行う検査のため体の中に金属がある方や狭いトンネルのようなところに入るため閉所恐怖症の方は検査を受けられないことがあります。検査時間は約30分くらいですが、検査内容によって変わります。また、検査中は大きな音が発生するため耳栓やヘッドフォンをして聴力保護のご協力をお願いしています(検査によってヘッドフォンができない場合もあります)。

当院のMRI装置

3T(テスラ)のMRI装置4台が稼働しています。テスラとは、磁場の強さの単位です。

各装置の特性を活かし、多領域にわたる検査を行なっております(PHILIPS社製:2台、SIEMENS社製:1台、Canon社製:1台)。見た目はCT装置と似ていますが、MRIは臓器ごとの組織の成分の違い(組織コントラスト)を捉えることが可能です。しかし、金属や空気、動きなど苦手なものもあります。

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MR検査の内容

頭部
脳梗塞や脳腫瘍などの評価に適しています。また、MRA(MR angiography)は造影剤を使わずに脳血管を描出することができるため、血管の狭窄や動脈瘤の評価に役立ちます。
また、拡散テンソル画像(DTI)といって、脳の神経線維の走行状態を可視化する解析法があります。このDTIデータから3次元的に神経繊維路を構築する技術であるTractographyによって、脳腫瘍と神経線維路との位置関係を把握することができます。DTIは大きな神経を捉えることが得意ですが、小さな、視神経や聴神経、三叉神経なども描出することが可能です。

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頭頸部
副鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、甲状腺などの腫瘍の有無や頸部血管の評価ができます。
腫瘍の大きさや進展範囲の把握に有用です。また、頭頸部周辺には多くのリンパ節がありますが、そのリンパ節の評価にも有用です。MRIは動く部位や金属が苦手です。特に口腔内のインプラントや唾を飲み込む嚥下の動きなどは検査に大きく影響する場合があります。不安な点がございましたらスタッフへお声がけください。

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心臓
装置や撮影方法の進歩により心臓のような動きのある部位の評価も可能となりました。心臓MRIは、心臓の動きを動画(Cine画像)で撮像することができます。また、心筋の動きを解析することで心機能を評価します。また、造影剤を使用して心筋梗塞の場所や心筋症などの評価が可能です。先天性心疾患の評価においても心臓だけでなく、周囲の肺や大動脈の評価に利用されることが多くなっています。

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乳房
専用のコイルを用いて撮影するため、腹臥位(うつ伏せ)での撮影を行います。造影剤を使用し、腫瘍と正常乳腺の鑑別や病巣の広がりを高い精度で診断することができます。乳房温存術を施行する場合、乳がんの位置や形、乳管に沿った腫瘍の進展などを詳細に検討し、切除範囲を決定するのに有用です。また、術前の薬物療法の効果判定にも有用です。また、シリコンインプラントなどの評価にもMRI検査を行うことで、挿入したシリコンの状態を確認したりできます。

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腹部
肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓などの腹部臓器を評価することができます。呼吸による動きの影響を最小限にする必要があります。そのため、検査中に息を止めていただくようお願いする場合があります。また、胆嚢や膵臓MRIは検査前の飲食や水分を摂らないようにお願いします。腎機能が悪い場合、造影剤を使用できない場合がありますが、造影剤を使用しないで血管を描出することも可能です(小さな血管などは造影剤を使用しないと描出することができない場合もあります)。

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骨盤
前立腺や子宮、卵巣、膀胱、胎児などの形状や腫瘍の有無、大腸や小腸の炎症について評価できます。膀胱の検査時には膀胱に尿を溜めた状態で検査をします。また、お腹の動きを抑制するためにベルトをお腹に巻いて検査します。検査の部位によっては、腸管の動きなどが画像に影響しないように腸管の動きを抑える薬を使用する場合があります。

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整形
骨や軟骨、椎間板、筋肉、腱、靭帯などを評価できます。関節痛や靭帯損傷などの診断に有用です。
また、脊椎脊髄MRIは、椎体・椎間板・脊髄・脳脊髄液などを明瞭に観察することができるため、ヘルニアや脊髄炎、脊髄・脊椎腫瘍などの診断に有用です。

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MRI部門スタッフ

診療放射線技師6名、放射線科医、看護師2名がいます。
私たちがMRI検査を担当しています!

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