熊本大学病院 中央放射線部

各検査・治療

超音波検査

部門紹介

超音波検査とは、超音波(耳で聞こえるよりも高い周波数の音波)を利用して、臓器や組織を観察する検査です。体の表面にプローブを当てて超音波を発生させ、反射した超音波を受信し、画像にします。
*イルカやコウモリが敵や傷害物を感知する原理です

この検査は、音(超音波)を用いて画像を作るため、非侵襲的な検査であり、リアルタイムに体の中を観察することができるという特徴があります。
当院の超音波検査室には、6台(4機種)の装置と1台のポータブル(往診用)装置とFibro Scan(肝臓の線維化の評価に特化した装置)があります。

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超音波検査室では、医師5名、看護師1名・診療放射線技師2名が在籍しています。

  • 超音波検査士(消化器領域・血管領域)...1名
  • 日本乳腺甲状腺超音波医学会認定技師(A判定)...1名
  • 血管診療技師...1名

検査の一例

腹部
肝臓や腎臓、すい臓、胆のうなどの臓器や腹部の血管に異常がないかを調べることができます。
この検査によって、臓器内の腫瘍の有無や、脂肪肝・肝硬変・胆石・胆のうポリープ・腎結石といった病気を見つけることができます。

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造影エコー*当院では、主に肝臓の腫瘍性病変で使用しています。
超音波専用の造影剤を用いることで、病変を正確に描出することが可能です。
使用する造影剤は、腎臓を通さず肺から呼気とともに排出されますので、CT・MRIの造影剤にアレルギーを持っている方や腎臓に障害のある方にも安全に行うことができる検査です。
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乳腺
乳腺内の状態(乳管内の変化等)や腫瘤の有無、腫瘤が良性なのか悪性なのかを調べることができます。近年、増加傾向にある乳がんの早期発見にも役立っています。
*若い方や妊婦さんなど、乳腺組織の発達した方にも適している検査です。

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下肢静脈
足にある深部静脈という血管に血のかたまり(血栓)が出来ていないかを調べる検査です。足にできた血栓が肺に流れて詰まると、呼吸困難や突然死をきたす可能性があります(エコノミークラス症候群)。

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特殊機能の一例

エラストグラフィ
腫瘤性病変や肝組織の硬さを迅速に評価し、組織の状態を色調・数値で評価することが可能です。

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*当院には、肝臓の硬さと脂肪肝の程度を同時に一度で評価するができる最新の機能(Combi-Elasto)が搭載されている装置もあります。

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Fusion
超音波画像とCT/MRI画像を3次元で立体的に連動させる機能です。
これにより、超音波で描出しにくい箇所の病変や腫瘍の位置が特定でき、より安全な治療へのサポートが 可能となります。
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RVS
RFA*の際に電極の配置から決定される電場(焼灼範囲)をCTなどの画像上に表示する機能であり、これまでの手技を大幅に改善することが期待されています。
*RFA(Radiofrequency ablation therapy):肝臓の腫瘍に対して皮膚を通して特殊な針を刺し、ラジオ波(電磁波)によって腫瘍を焼灼壊死刺せる治療法で、肝臓には比較的負担の少ない治療法です。
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